製品情報|岐阜セラツク製造所

天然物精製

タイ、インドの亜熱帯地方の一部が主産地で、ラックカイガラ虫という体長1ミリ前後の昆虫が特定の樹木に集団で寄生し、自らを守るために形成した樹脂状分泌物を原料として精製加工した物質を「セラック」と言います。 当社は創業以来、この貴重な天然資源の精製加工を手がけてきました。 現在はその精製技術を応用し、様々な天然物から生理活性物質の分離精製を行っています。

セラック

当社のセラックは独自開発の抽出精製技術により、セラックが本来持つ性能を損ねる事無く、天然物でありながら常に安定した品質と供給が可能です。 原料の産地から納入までの品質及び安全に対して万全の管理体制を敷き、国内では唯一、医薬品添加物製造許可を受けて日本薬局方セラックを製造・販売するなど品質への取り組みに力を入れています。 これらの堅い実績により医薬品、食品には勿論の事、電子部品の製造時に用いる接着剤や工業用途の精密化学品分野まで幅広くご利用頂いています。

精製セラック

不純物を除去したセラックで赤茶色をしています。原料のシードラック由来のワックスを含有したタイプとワックスを除去したタイプの2種類があります。

脱色セラック

吸着剤を使用して物理的に色素を取り除いたセラックです。オリジナルの性質や物性を確保した上で淡色化した高級セラックです。

※ さらに高品質なセラックも用意しております。

天然物抽出精製

茶カテキンや大豆イソフラボンなどの天然成分に健康を保つ作用がある事が解明され、近年健康食品が多数のメーカーで盛んに開発されています。 当社では創業時からのセラックやラック色素で培った抽出・精製技術と経験とを活かし、各種の天然有効成分の抽出・精製を行い多くのお客様よりご愛顧頂いています。

当社の抽出・精製技術の特長は以下の2点があります。

1. 有機溶媒による抽出精製が可能です。一般的な食品メーカーは有機溶媒を大量に用いる事は困難な場合が多いのですが、当社では消防法対応工場と防爆設備により、エタノールはもとよりヘキサン、酢酸エチルと言った有機溶媒を使用した抽出・精製が可能です。これにより水系溶媒だけでは抽出・精製が困難な成分にも対応する事が出来ます。
2. カラムを用いた高度分離精製に対応可能です。各種充填剤を用いたカラムによりコストパフォーマンスを追及しつつ大量生産に対応しています。

機能性素材の開発では、機能性研究の進展と並行して抽出・精製プロセスの開発が重要です。当社は抽出・精製プロセスの専門メーカーとして、お客様の開発・製造をサポートしています。単なる受託生産と言う形ではなく、研究開発力、生産技術力、経験を元に有効な製造プロセスを提案し問題解決を図る「抽出・精製ソリューション企業」を目指しています。

自社開発品

※こちらの内容は、事業者様向けであり消費者様向けではありません。

●ピーナッツ渋皮ポリフェノールPNex

中国ではピーナッツのことを『長生果』と呼び、不老長寿の豆として薬膳料理などに用いられてきました。油脂の多い種子を酸化から守る褐色の渋皮はAタイププロアントシアニジンを初めとしたポリフェノールが豊富に含まれています。

PNexの特長としては以下の通りです。 ・脳機能改善効果が期待できます。 ・DHAとの併用が効果的です。 ・総プロアントシアニジン含有量55%以上 ・ORAC値16,000 μmol TE/g ・水溶性粉末

当社の研究実績はこちらです

●シーベリー果実オイル

栄養豊富なドイツ産有機栽培(Bio認証取得)原料のみを用いたこだわりの製品です。

シーベリー(Hippophae rhamnoides L.)は欧州をはじめモンゴルや中国、ロシアなど比較的寒冷で乾燥した地域で栽培され、オレンジ色の小さな実をつけます。シーベリーの歴史はギリシャ神話の時代まで遡り、シーベリーを食べた馬が元気になりキラキラと光り輝いたという神話が残っていることから、シーベリーの学名には“Shiny horse”を意味するHippophaeが用いられています。他にもかつてはモンゴルのチンギスハンとその騎馬兵がこのシーベリーを食しており、軍隊が非常に強力であった理由の一つとされています。

現在では、スーパーフードの一つとして人気が高まりつつあり、欧州を中心に果汁を健康ジュースとして、オイルをサプリメントや化粧品に配合したりと広く用いられています。

ポイント1 ω‐7脂肪酸「パルミトレイン酸(POA)」を高含有!

シーベリーの果実には油分が2%程度含まれていることが知られています。当社はこの貴重な油分に着目し、「シーベリー果実オイル」として開発を進めてきました。シーベリー果実オイルには植物性オイルでは非常に珍しいパルミトレイン酸(POA)を豊富に含んでいることが知られています(当社規格25%以上)。

ポイント2 涙の量アップで目の潤いをサポート!

1日2gのシーベリー果実オイルを経口摂取することで、摂取しない場合と比べて、目の潤いや、目の発熱感といったドライアイの症状が改善されること¹をフィンランドの研究グループが報告しています。また、当社においても大学との共同研究により、シーベリー果実オイルの中でも特にPOAが涙の分泌を促進してドライアイを改善すること(下図)²を発見しました。

1)Larmo PS, Järvinen RL, Setälä NL et al. Oral Sea Buckthorn Oil Attenuates Tear Film Osmolarity and Symptoms in Individuals with Dry Eye. J Nutr 2010;140:1462-8. 2)Nakayama et al., Restoration of Tear Secretion in a Murine Dry Eye Model by Oral Administration of Palmitoleic Acid. Nutrients 2017;9:364

ポイント3 コラーゲン量減少を抑え、肌弾力を改善!

シーベリー果実オイルは欧州を中心に美容向けサプリメントや化粧品に配合されていますが、その具体的なエビデンス等は報告されておりません。 大学との共同研究によりヒト皮膚線維芽細胞で紫外線照射によるコラーゲンの減少を防ぎ、肌弾力維持に効果が期待できること(下図)³を見出し、学会発表を行いました。 3)岡本,ヒト皮膚線維芽細胞の光老化に対するシーベリー果実油の機能解析,日本農芸化学会2024年度大会

●シーベリーオイルMC

ポイント1 当社独自の加工技術「マイクロカプセル化加工」を使用!

当社の分散技術により、シーベリー果実オイルをナノサイズの粒子に加工しマイクロカプセル化(下図)した「シーベリーオイル MC」を開発しました。シーベリーオイル MCは、通常のオイルと比較して生体吸収性の改善が期待されます。

 

ポイント2 良好な水分散性!

マイクロカプセル化加工により液体オイルが水に均一に分散いたします(下図)。従来ソフトカプセルにしか用いることのできなかったシーベリー果実オイルを、ハードカプセル、粉末飲料など、様々な製品形態に使用することが可能になりました。

 

ポイント3 ヒト臨床試験による肌弾力維持機能の評価を実施済み!

シーベリーオイルMCを用い、健康な日本人女性を対象としたランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施しました。その結果、シーベリーオイルMCを摂取した群において、肌弾力を示す値(R0,R8)が有意に維持されること、「肌の毛穴」、「肌のごわつき」に関するアンケート(VAS法)は肌環境の改善を実感した方が多いことを確認しました(下図)⁴,⁵。

4) Okamoto, Effects of Consuming Food Containing Seabuckthorn Pulp Oil on Skin Environment in Healthy Japanese Adults: A Randomized, Placebo-Controlled, Double-Blind, Parallel-Group Conparison Study. Jpn Pharmacol Ther 2024;52:295-309 5) 森, マイクロカプセル化シーベリー果実油経口摂取による肌環境改善効果, 日本農芸化学会2024年度大会

マイクロカプセル化加工はシーベリー果実オイル以外の機能性油脂にも応用が可能です。ご要望に応じてマイクロカプセル化加工を行うことができます。テーブルテストから受け付けておりますので、お気軽にお問合せください。

≪お問い合わせ先≫
Tel :058-272-0831(代表)
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:info*gifushellac.co.jp
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