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第2回ラック研究会『ラックを科学する』

11月3日文化の日に、第2回ラック研究会・講演会が京都府立大学、稲盛記念会館で開催され当社社員も15名程参加しました。

 この会は、東京芸術大学を卒業した漆の研究家である北川美穂様が、欧州における漆工芸品の補修にセラックが使用されていることを知り、ご興味を持たれたところから始まります。
日本におけるセラックの需要は決して高いわけではなく、認知度もほとんどありません。しかし、そうした芸術品の分野をはじめとし、セラックが持つ多種多様な用途、機能を探るべきである、と北川様は考えられ、現在所属されている京都府立大学生命環境科学研究科の 研究室を中心としたラック研究会が発足しました。



2016年、まさに今年発足したばかりの研究会で、今回がまだ第2回にも関わらず、セラックやラック 色素に興味のある各分野の方々が100名以上参加し、大変盛況で日頃から疑問に思っていることを質問し合い、新たな知識を身に着けることができ、有意義な一日でした。

今回のテーマは最大の原料産地であるインドのラックの歴史から起源昆虫の生態や天敵、また、現在のラックの用途に至るまで、幅広く取り上げられました。ラック研究では最も 歴史のあるインド天然樹脂研究所(旧インドラック研究所)の元所長ランガナタン・ラマニ博士が講演し、北川様の軽妙な通訳により大変よく理解できました。

また、正倉院宝物におけるラックの科学成分とラックの利用を宮内庁正倉院事務所保存課調査室長の中村力也様、元保存課長の成瀬正和様による講演および当社の森大輔が脱色セラックの優位性、成分研究と産業利用について講演し、いずれも活発な質疑応答がなされたことは嬉しい驚きでした。

更に、会場には研究ポスターとして数題の発表があり、いずれも地道な取り組みであり、ラックおよびラック色素の愛好家が大変多くいらっしゃることを改めて知りました。

セラックに関するポスター発表
セラックを使用したサンプル品




セラック自体の歴史は日本では1500年くらいですが、インドでは紀元前3000年以上前から記録があります。しかし、どのように使用されてきたかは不明な点が多くあります。
それに対して、日本で臙脂として知られるラック色素はブータンの民族衣装の赤色に代表されるように、絹等の染色に用いられ、アジアだけでなく、欧州の衣服、タペストリーや絵画にまで使用されていることが確認されており、古代から人々の生活に密着していたことを改めて学びました。個人で草木染を趣味にしてみえる方や天然色素を使用する染色業者から糸や布を使用する芸術家の方まで、幅広い方々が参画してくださり、セラックおよびラック色素のメーカーでもある私たちがもっともっと深く理解し、もっと良い製品を作り上げようと改めて心に誓いました。

参加者の皆様と